音楽

晴天に雷鳥

野口 文也
早稲田大学本庄高等学院

まだ若すぎて吹くのが下手な風
もう老いてしまって凍れなくなった水
乾燥した指先にたちまち広がるコケ
晴天に飛び回る雷鳥の親子

ああいいなあの子は影 すらも
華やかで首元に造花がいけてある
ああ哀れな私のできることは
哀れな彼らと笑って笑っている

なぜ世界はわがままを言わないの
悲しい彼らの 頭を撫でている私
なぜ世界はわがままを言わないの
間違ってる彼らを 正しく導く私

恥ずかしいよと 叫び返せないやまびこ
おもしろいねと 暗くならない夜12時
怖い怖いと落ちてこない 弱虫な雨
寒い寒いと服を着て 満足そうなお日様

ああいいなあの子は影 すらも
優しさが肋骨のあたりに溢れてる
ああ醜い私のできることは
醜い彼らと笑って笑っている

なぜ彼らは私を嫌わないの
どうしようもない彼らに 手を差し伸べている私
なぜ彼らは私を嫌わないの
何も知らない彼らに 血を分け与える私

なぜ世界はわがままを言わないの
悲しい彼らの 頭を撫でている私
なぜ世界はわがままを言わないの
間違ってる彼らを正しく導く私

なぜ世界はわがままを言わないの
なぜ世界はわがままを言わないの

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