グラフィックデザイン

不完全な美

好本 彩乃
帝塚山学院高等学校

自分の体を作り変え「美」を表現する者がいる。しかし、私は人形を用いてそれを表現した。リアルの肉体では、程良く細く健康的な肉体が美しいとされるが、人形の身体では、痩せこけて肋が浮き出ていたり、弛むほどの肉をまとった身体も時には美しいと評価される。人形の身体ではどのような体型も評価されるのに、人間は一つの価値基準に沿って一つしかない肉体を改造し失っていく。不完全な人間が完全を求め、幾度と自らを作り変え血を流し、行き過ぎた改造は人間とは似ても似つかない風貌へ変えていく。不気味な顔、不自然な肉体、科学的にはあり得ない肉体へ負荷の掛けた形へ。だから私は、自分を改造するのではなく人形を作る事で「美」を表現した。

SEIKA AWARD