いつも通りの学校の帰り道。自転車に乗っていると、曲がり角にカーブミラーがありました。安全確認のために見るものですが、そこだけぽつりとまるく切り取られた景色に少しの違和感と強い好奇心を感じました。もし、このカーブミラーに映っている景色が、曲がった先にあるいつもの景色と違っていたら。一度現れた考えは消えることなく、むしろどんどん膨らんでいきました。川の水面、窓ガラス、トイレの鏡、水たまり。あらゆる反射するものは、どこか違う世界の扉になっているんじゃないか。そんな妄想は今も私の頭にこびりついたままです。