デザイン部門[建築]
足許の世界を照らす羅針盤
植田 太陽(静岡県立天竜高等学校)
山と町の境目に立つこの施設は単なる宿舎にとどまらず、両地域の交流の場としての機能も併せ持せたい。山の住民と街場からの来訪者、そして我我高校生が一堂に出会える場としよう。そしてそれぞれの世界を交差させ、互いに浸透しあおう。さらに海外籍や在日系生徒の母国の文化や芸術なども披露しあっていきたい。そこで多目的ホールや建物周囲の広場では様々な催し物が行える空間とする。地域の山や川の恵みで作られる農産物や工芸品などのバザーや、地元の食材を使った郷土料理の提供、時には伝統芸能のお披露目や木こり教室などの学習会を催す。一方、南の町からはライブコンサートや演劇、あるいは展覧会や講演会といった都会的なイベントの開催も興味をひくであろう。地理的に遠く離れた世界や異なる時代の世界に思いをはせるのも大切であるが、今、ここの足許のまだ知らぬ世界を改めて確認し、再認識し直すことも重要であり、この施設の目的ともなる。