SEIKA AWARD 2025

SEIKA AWARD 2025

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美術・工芸部門[絵画]

否定

中井 蒼一朗(高松中央高等学校)

自分の進むべき道がわからず、悩むなかで自分が何をしたいのか、何をすべきなのか自分でも分からなくなることが何度もありました。何かが違うと自分で自分を否定する連続でした。どこからともなく生まれる不安と満足できていないという感覚。しかし、何かやってやろうという漠然としながらも大きなエネルギーがありました。この作品ではそんな悩む時間もまた自分を構成する一部であり自分の世界だと捉え、真正面から今の自分とキャンバスを通して向き合いました。日によって変わる感情、それを絵にも表し、具体的なモチーフを置く日もあれば勢いに任せた線を引く日も。自分が気に入らなくなるような日は塗り潰したりもしました。何度も塗り重ねた部分、絵の具を薄く広げただけの部分、最後に今の状況に満足していない、変えていきたいという思いの象徴として今まで描き進めた絵を塗り潰して壊すような形でまっすぐ見開いた大きな目玉を中心に描き入れました。