SEIKA AWARD 2025

SEIKA AWARD 2025

美術・工芸部門[絵画]

Eden

小竹 乃の香(東邦高等学校)

表面的な違いばかりが強調される現代社会において、多様性という言葉は時に一人歩きし、人々の間に分断を生み出す原因となっています。しかし私は、真の多様性とは外見や属性の差ではなく、それぞれの存在が持つ固有の価値、そしてそれを認め合う静かな共存にあると思います。森と海という異なる環境に生きる鹿とクラゲが静かに佇む姿を描くことで、多様性が競争や対立ではなく、互いを尊重し、それぞれの個性を尊重することの重要さを表現しました。この静けさの中にこそ、現代社会で失われつつある心の安らぎ、そして楽園(Eden)を見出すことができるのではないでしょうか。