
奨励賞
メディア部門[音楽]
みち
染川 瑠翔(福岡県立修猷館高等学校)
「世界」を考えて、「将来に対するぼんやりとした不安」を連想しました。争いが絶えず、地球も結局破壊され続け、これからどうなっていくかも分からない。その上、古い人間たちは「世界の運命はあなたたち若者にかかっている」と無責任にも大層な使命を丸投げしてくる。また、インターネットで何を検索にかけても、暗いワードに当たる。逃げ場すらまともにないこの世界で、未来への道は、どこへ続いているのでしょうか。ちっぽけな一人の人間に、世界の何を担えるのでしょうか。いっそ、世界から消えてしまったほうがいいのかもしれない、そんなふうにまで思えてしまう。それでも、自分の信じた道をたどって、未知なる世界へ歩んでいくしかない。そんな僕たちの心の静かな叫びを表現しました。
工夫した点としては、イントロの入り、サビ入りなどで、勢いの出る音作りを心がけました。また、転調を多く使い、上がり下がりの激しい不安定な心を表現しました。
歌詞
頭の中を駆け巡る 真っ黒に染まった空っぽが
心の底をかき乱す 星の見えない夜
欠けては満ちてく月の影 欠けては満ちないな僕は誰
日を追うごとに消えていく 思いつめたリュック
どうして
世界を嫌ってシャッター下ろしたはずだったのに
こうして
孤独をくらって
クラってしちゃう夜に泣いているのかな
嗚呼 駆け出す夜の向こうに 何が待っていると言うのだ
さあに空いた穴(ホール)にて 終わんない夜踊って明かそう
嗚呼 思考に浸かった向こうに 見えるの天国か地獄か
「バイバイ、」 道なき未知を歩んでく 「不安に満ちた私への逃げ道"」
過剰な期待が増えていく 真っ青なリンゴ甘さ求め
余計なものだけ添加する 熟れずに腐りゆく
無責任なモノ押し付ける 「「世界を変えるのはあなたです」?」
僕の世界を大切にする時間くれないの?
「もういっそ、理想を衒った世界が、僕のことなんか忘れてくれますように」
嗚呼 書き出す"未来"の文字に 何の意味があるというのだ
さあ? 手垢のついた言葉だけ 変わんない世をうたって明かそう
嗚呼 汚れたエゴロジー保持で 遺(のこ)るのは希望か絶望か
「バイバイ、」 止まれの書いた道標 「"不要"で満ちた私を導いてくれ」
「いっそ、常夜に染まった世界が、僕のことなんか忘れてくれますように」
嗚呼 孤独を抱いた夜空 星の涙が流れ落ちた
さあ 粒(かけら)を拾って紡いで 暗さで満ちた夜空を照らせたなら
所詮ひとかけらの星屑 足元の道も照らせやしない
嗚呼 「他人の踏み固めた道なんて関係ないから」
嗚呼 描き出す"未来の地図"は 何を指し示すというのだ
さあ? 航路もなんもないから 終わんないよう世界を描こう
嗚呼 星屑をつないで創った星座に何と名をつけようか
「バイバイ、」道なき未知を踏み越える 「"不安で満ちた私への逃げ道"」