授業作品部門[工芸]
葛藤そして思考の混乱
下井 颯一郎(大商学園高等学校)
この作品の原画は、授業の課題として様々な素材を組み合わせ、画面内に構成していくうちに生まれてきたものですが、現れてきた図像はまるで私の中の混沌とした思考や葛藤が視覚化されたかのように感じられます。
構造物や人物が錯綜する様子は混乱や矛盾を象徴するようで、見ていると気持ちのどこかを掻きむしられるような感覚に陥ります。世界を構成する複雑さに比べれば取るに足りない小さな枠の中の出来事ではありますが、私はこの焦燥に似た感覚を忘れないことが大事と思えてなりません。そんな思いで、一刀一刀切実に線を刻みながら切り絵を完成させました。