グランプリ
マンガ部門[アニメーション]
Balloon
青木 珠々子(東京都立総合芸術高等学校)
満員電車に揺られ、日々をただこなすように生きている主人公。変わらぬ朝の景色に、突然ふわりと風船の群れが浮かび上がる。その瞬間、胸の奥にしまい込んでいた姉の記憶がそっと呼び覚まされる。
本作は、姉を失った妹が記憶と向き合い、再び歩き出すまでの心の旅を描くストップモーション作品です。日常の中でふと蘇る姉との記憶を通して、喪失の痛みと再生の瞬間を丁寧に描きました。白昼夢と現実が交差する中、妹は過去への依存を手放し、ひとりの大人として前へ進む決意を固めます。喪失の記憶は終わりではなく、新たな始まりへとつながることを示す物語です。
喪失とは、大切な家族、友達、そして小さいころからの夢や希望だったりするかもしれません。私もたった18年の人生の中で、小さいものから大きなものまで色んな喪失体験をしてきました。それでも人は、いつかまた前へ進める――そんな自分なりの再生の物語を紡ぎました。