SEIKA AWARD 2026

SEIKA AWARD 2026

メディア部門賞

メディア部門[映像]

不思議の国

上村 大空(創進学園高等学校)

家や街、人間関係を転々としながら生活してきた中で、周囲の環境は何度も更新されてきたが、創作だけは一度も手放さずに続けてきた。その連続性そのものが、私にとってのアイデンティティであり、記憶の核だと考えている。
生成AIもまた膨大なデータの配列と組み合わせによって表現を生成できるが、そこには忘却への恐怖や死の予感といった「失われていくこと」を前提とした記憶が存在しない。人間は生きる限り、何かを覚え、同時に何かを忘れ続ける。その不可逆なプロセスこそが、人間にしか持ち得ない構造だと思う。
環境がいくら変化しても、記憶の積層だけは身体とともに残り続ける。本作の3DCGと楽曲は、その記憶の生成と風化、保持と脱落の過程を構造として可視化する試みである。