SEIKA AWARD 2026

SEIKA AWARD 2026

美術・工芸部門[絵画]

凄艶の気流-seien-no-kiryuu-

内藤 そら(東京都立上水高等学校)

私の家のベランダからは、多摩モノレールの駅を望むことができます。ベランダから見渡した夜空は空気の層の連なりに見え、その様子がとてもきらめいていて美しく感じると同時に、どこか不気味さのある不思議な空気の流れを感じます。ぼんやり眺めていた景色の奥に見えるモノレールは暗闇の中を泳ぎながら進んでいき、その上には変わらず光り続ける満月を描いています。モノレールが渦巻く気流とともに、ぼんやりと生きている私を夜空に連れてひきずりこんでしまいそうだけれど、月がそれをひきとめている怖さを構図にしました。印象的な空を表現するため絵の具や墨を何度も重ねました。重ねるほど動きや深みが出てくる過程は、記憶の中の風景と重なり、描きながら絵に惹き込まれるような感覚がありました。絵の具の持つ美しさを感じながら描くことが出来たと思います。