美術・工芸部門[絵画]
割れた音だけが軽かった 〜潰したはずの記憶〜
森藤 あかり(福岡県立福岡中央高等学校)
本作品は「記憶」をテーマに、思春期の頃の不快な記憶の象徴として、ニキビを潰している最中の自分を描いた。ニキビを潰す行為は一瞬で、音も軽く、簡単に消せたかのような錯覚を与える。しかし、その跡は肌に残り、時間が経過しても消えない痕となる。私はこの痕を、なかったことにしたはずの記憶が、心に留まり続ける状態と重ねた。
背景に描いた気泡緩衝材は、軽い音や感覚と、不快さ・後悔・自己嫌悪といった感情の対比を際立たせるためのモチーフである。
割れた音だけが軽かったという感覚を通して、消去できなかった記憶の重さを表現した。