美術・工芸部門[絵画]
閉鎖的な世界
井口 裕加(京都芸術大学附属高等学校)
世界というテーマに対してイメージは大量に浮かびました。でもどれも気が引けて描けませんでした。描く事ができないというより閉じこもりがちで世界の事も何も分からない私が「世界とはこうだ」と人様に見せるなんて恥ずかしく悲しく、出来ないということです。私が生きる空間は他者に認識されずひっそりと世界の一部として存在しています。物がぎゅっと密集して引き出しもクローゼットも開けられずベットに横たわるためだけの空間です。俯瞰で見た時、私の性格を表しているようで面白かったです。私だけの世界なので私の存在を強烈に放ちたかったです。女の身体を描くとどうしても美しくしてしまう、ベッドと同化しているような肉の塊が描けた時言語化できないマイナスな自分が遠慮なく表せました。コンクールで口では表せない私を人様に見てもらう事で自分とは別の閉鎖的な自分の社会から隔離されたような気持ちが今になって少し報われると思い応募しました。