奨励賞
文章部門[エッセイ]
蜜柑
阿曽 祥大(芝高等学校)
うつ病と診断された時、エッセイを書くことで日々の生活を面白がれるようになれば健康になれるのではないかと思い執筆を始めた。この作品、「蜜柑」は初めてできた恋人に二股をかけられた挙句振られた直後に半狂乱の状態でどうにか自分を笑わせようと執筆したものである。自分が読み返した時楽になれるように、「意味がありそうで全くない文章」、「読んだ2日後には存在ごと忘れるけど、ほんの一瞬だけ悩みを忘れられるような文章」を目指した。みんな「世界」との折り合いがつかずに生きるのが嫌になる。「世界」と自分との間に生じる問題を解決するのは難しい。しかし、この文章を読んだ誰かが「世界」の存在を忘れ、少しでも楽になれるようなことがあれば、偏屈負け犬男の自己治療として産み出されたこの文章は泣いて喜ぶだろう。僕(偏屈負け犬男)もうれしい。
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