SEIKA AWARD 2026

SEIKA AWARD 2026

優秀賞

美術・工芸部門[工芸]

美の矜持

矢吹 陽(東京都立工芸高等学校)

日本には織物や陶磁器、木工品、金工品など、多くの伝統工芸が育まれてきた。これらは日本が誇る文化である一方、価値観の変化や技術の進歩により、現代の生活から遠ざかり、やがて記憶から消えてしまうのではないかという不安もある。しかし、今なお受け継がれている工芸品は、長い年月をかけて培われた技術や知恵を継承し、人々の暮らしを豊かにしている。本作品は、組子細工と漆を用いた照明作品である。外側には成長や魔除けを意味する「麻の葉」模様、内側には無限の繋がりを象徴する「七宝」模様を用い、古くから生活を支えてきた照明と伝統技法を重ね合わせた。伝統工芸の継承と再普及を通して、伝統工芸の価値を改めて見つめ直し、誇りを持つきっかけになってほしい。