SEIKA AWARD 2025

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メディア部門[音楽]

天国≠Ⅹ no.92

上村 大空(創進学園高等学校)

芸術家の命が終わっても彼らの作品は世界に残り続ける。
しかし、制作から発表まで全てデータ上で完結できるようになった今日ではどうだろう。たかがデータでしかない作品が100年、1000年先にオリジナルを証明できた状態で存在しているだろうか。
一方で、世界は巨大なHDDとして機能し続けている。その性質上いずれは壊れてしまうだろうが、とりあえず今は自分のバックアップをとっておくことにしよう。生まれ変わってもなお今世の作品が残っていたら、私はその世界の美しさのあまり、天国と見間違えるかもしれない。
終末時計の秒針が鳴っている。

歌詞
どこまで僕らの箱庭なんだろう
広がっていく世界の中で
また何か創造してみよう
どうせ灰になっても


さよならを隠さなくちゃ
嗚呼、素晴らしき世界?
言い聞かせて逝きたくもないが
もう少し余すことなく使い切ろう
チューブを切り出すとこまで


昨日までの間違いが正しさになる
裏が表になっていく(hm)


煩わしさを隠さなくちゃ
嗚呼、摩擦なき土壌?
神も望んではいないさ
もう少し、灰が散る前に僕を遺して


のこして→のこして

帰りの便はないらしい
拙い創作のアイロニー
実は誰も見たことないらしい

心に骨はないし何も残らない