SEIKA AWARD 2026

SEIKA AWARD 2026

美術・工芸部門[立体・彫刻]

記憶に沈む

橘 友彩(山梨県立甲府第一高等学校)

私は幼少期より自然の多い場所で過ごしてきました。四季折々の顔を見せる場所での私の記憶の中には蛙が多く出てきます。田んぼにいた彼らは弱肉強食に則って雌を奪い合うように他の蛙を踏みつけ上へ上へをのしあがるように積み上がっていました。しかし、そんな彼らがいた田んぼは既になくなり私の中で銅像のように固まった記憶しか残っていません。行き場を失った蛙達が道路の一部と化している様子が見られます。それでも生きようとする彼らの様子は幼少期の記憶を思い起こさせるようでした。そんな彼らから着想を得て、記憶の中の弱肉強食をテーマに作成したのがこの作品です。記憶の中の蛙達を再現するためにただ居座っているだけでなく、動きをつけたポーズにし、表情もただ固まっているだけにならないようにし、2度と動くことがないことを表すように生物感を無くし、銅像のように塗装しました。組み上げ方も絶妙なバランスになるようにしました。