SEIKA AWARD 2026

SEIKA AWARD 2026

授業作品部門[絵画]

待ち続ける場所

田中 月星(京都精華学園高等学校)

本作品は、帰り道に毎日目にする公衆電話を題材に制作した。何気なく通り過ぎていた場所だが、夜になると静まり返り、人の気配が消えた空間に不思議な存在感を感じるようになった。暗闇の中で灯る電話ボックスの光は、使われることが少なくなった今でも、誰かと繋がるためにそこに在り続けているように見えた。日常の中にあるささやかな風景から、孤独や記憶、そして人とのつながりについて考えるきっかけになればと思い制作した。全体を暗い色調でまとめ、公衆電話の照明が際立つよう明暗の差を意識した。自然の暗い色合いと、電話の人工的な色を対比させることで、風景の中での存在感を強めた。静けさの中にあるわずかな不安や安心感が同時に伝わるよう、色や光のバランスを調整した。