テーマ
「自由」

絵画

T君を描くP君

岡村 遼壮
神奈川県立生田高等学校

題材、描写の両方に意図があった。部活で全力を注いできた「美術」、共に全力を注いできた「後輩」を題材とした。思い入れのある題材であるため、客観的に「写す」だけでなく、自分の認識や記憶を通した描写を重視した。自分の視線が題材に接近し過ぎず離れ過ぎないよう、題材、作品、自分の距離関係を意識した。描写面では、壁までの「距離」と、「油彩らしさ」をテーマとした。壁は鑑賞者の視線に対し垂直で、一点透視的効果を狙うような線はほぼ排してある。こうした構図で手前から奥への「距離」を描写するには、同時に上下左右(壁に平行)に続く空間の厚みを描写する必要があった。壁表面の明暗表現の他、縁付近に配置した物は視線をややそちらへ振った時の角度で描くなど試行錯誤した。あからさまな筆跡等に頼らない「油彩らしさ」にも拘った。壁や棚板での物質感、肌での透明性、それらの複合的表現等、絵具の特性を質感の表現に繋げる描写を心掛けた。

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