文章部門賞
文章部門[エッセイ]
縫い留められた記憶
日垣 朋果(中央大学附属横浜高等学校)
私はこれまで、コミュニティの中で与えられる「役割」について、違和感を抱いてきました。ダンス部で衣装係として過ごした記憶を振り返ると、役割に救われながらも、同時に縛られた自分が確かに存在します。現在私は、「医療の当事者コミュニティでは、役割や肩書きが支えにもなり、人を縛る構造にもなりうる」という仮説を持っています。この問題意識を自分の原点から見つめ直すため、エッセイを書きました。この作品では、現在の私を形作った経験がそのまま伝わるように、嘘偽りない私の感情を書きました。友達にも家族にも相談できない悩みや葛藤を文章に表したので、恥ずかしい気持ちもありますが、読んだ人の中に共感や小さな問いを残せたらうれしいです。また、布のような表現を文章に取り入れたのも工夫の一つです。そしてこの応募を、今後コミュニティ心理学を学び、医療の現場における支援の在り方を探究していくための第一歩にしたいと考えています。
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