文章部門[エッセイ]
消したい記憶と、脱皮の跡
齋藤 奏(愛知県立春日井南高等学校)
消してしまいたい記憶は、誰にでもあると思います。私にもたくさんあります。
このエッセイは、そんな「消したい記憶」にもう一度向き合うために書きました。
本作で描いたのは、暗闇の中で姉がくれた「伏線」というひとつの言葉をきっかけに、私の世界の見え方が変わる瞬間です。
工夫したのは、壁の凹みという物理的な傷跡が、「恥ずべき過去」から「誇るべき脱皮の跡」へと意味を変える過程を、情景として描いた点です。
このエッセイが、同じように過去の傷に問われている誰かに届き、「あなたの痛みも、未来への伏線になるかもしれない」という、ささやかな希望になることを願っています。
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